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2019.08.23 転職ノウハウ

AI化が進む将来、法務のキャリアパスをどう考えるか

AI化が進む将来、法務のキャリアパスをどう考えるか

法務としてのキャリア形成に必要な経験とは?

法務としてのキャリアパスが見えづらい、という悩み

法務という職種は、どのようにキャリアパスを考えればいいか分かりづらい側面があります。

「このまま法務だけを続けていていいのか?」
「今の仕事の先にステップアップはあるのだろうか?」
「AI化の波に取り残されない法務になるには、どうすればいいのか?」

といった悩みを抱える法務担当者も多いでしょう。

法務担当者は、将来的に生き残れるキャリアではある

実は、「法務」という職種のニーズは増えており、法務担当者としてキャリアを積むことはおすすめの選択肢と言えます。

法務担当者のニーズが増えている大きな要因は、主に、契約書を重視する風潮の高まり、そして、インターネットの普及による企業側のコンプライアンス意識の向上です。たとえば、最近よく耳にする「ネット炎上」や、海外取引の増加に伴うトラブルなど、インターネット上での問題が多くなっています。そうした中、ビジネスを法的な立場で支える法務担当者の需要は増えているのです。

どのような法務担当者がよりよいキャリアパスを歩めるか

とは言え法務をとりまく環境も刻一刻と変化していますので、当然、時代の変化に対応できる法務担当者のほうがキャリアは評価されやすくなります。

特に昨今はIT化が進み、「AIに仕事を奪われる」という言論もしばしば見られます。法務という職種も、決して例外ではありません。

将来を考えた時、「法務」としてよりよいキャリアパスを歩むには、どのようなキャリアを積んでいけばいいか、この記事で見ていきましょう。

法務という仕事の一部は、将来的に消えていく

定型的な契約審査だけでは、法務のキャリアを築きづらくなる

法務の中心的な業務である契約書の審査では、一部の業務がAIに代替されていくと考えられます。法務としてのキャリアパスを考えると、定型的な作業だけを重ねていくキャリアは、将来的に評価されにくくなるかもしれません。

現段階でも、「自社の雛形と違う箇所をサジェストしてくれる」といった定型的な判断は、既にAIに取って代わられつつあります。たとえば、GVA TECH株式会社はAI契約書レビュー「AI-CON」のサービスの中で、AIによる一般的な基準に照らした契約書のレビューのみならず、各社の基準に合わせたレビューの機能も提供し始めています。

テクノロジーの進歩を考えると、数年のうちにさらにAIが活躍するようになるでしょう。

「法律関係の回答業務」も失われていく可能性がある

法務では、社内外から法律に関する質問を受けることも多いと思われます。しかし、定型的な回答業務だけだと、将来的に法務としてのキャリアアップは難しいかもしれません。

というのも、こうした膨大な質問事例を蓄え、それを解析することも、AIの得意とするところだからです。たとえば、とあるアメリカの法律事務所では、独禁法に関する質問回答を担当するAIが採用されているそうです。国内でも、AI活用への期待は高まっています。

ビジネスに強い法務はキャリアが評価されやすい

AI化が進んでも、ビジネス的観点での契約審査は残る

前述の通り、現時点でも定型的な判断業務はAIに取って代わられつつありますが、「何がビジネス的にベターか」を選択することには、まだまだ人間の力が必要とされています。

業界やクライアントの情報、営業マンが積み上げてきた交渉の経緯などを踏まえてビジネスジャッジができる法務担当者は、将来的にも必要な人材になっていくでしょう。

新規事業に携わった法務は、キャリアとして評価されやすい

新規事業周りの法律レビューも、需要が減りにくいと考えられます。なぜなら新規事業の場合、定型的な判断業務と違って事例が蓄積されないため、その度に判断業務が必要となるからです。

ビジネス観点での仕事もできる法務担当者は、そのキャリアが評価されやすいと言えるでしょう。

他人と上手く関われる法務はキャリアを築きやすい

他人に働きかけるコンプライアンス対応は、AIに代替されにくい

AIに代替されにくい業務として、コンプライアンス対応も挙げられるでしょう。

会社のコンプライアンスを高めていくためには、他の社員のコンプライアンス意識が高まるような「モチベーション作り」「仕組み化」が必要だからです。

コミュニケーション能力はキャリアアップに不可欠

コンプライアンス対応のように、他の人間へ働きかける仕事はAIに代替されにくいため、将来的な法務のキャリアを考える上で重宝される経験と言えます。

その他、単に法律の条文を照らし合わせるのみならず、官公庁などへの直接の確認業務が残るような業界では、これからも法務担当者が活躍できそうです。

まとめ:「仕事ができる」法務としてキャリアを積もう

「仕事のできる法務」が目指せる環境を選ぶ

法務としての専門知識を蓄えることはもちろん大切ですが、AI化が進んだ業界の将来を考えると、

  • ビジネス・事業観点からサポートできる法務
  • 他者とのコミュニケーションをしっかりとれる法務

といったニーズが見えてきます。

一言で言うと、いわゆる普通に「仕事のできる」法務が、キャリアを評価されやすいと言えます。

新規事業やコンプライアンス対応など、ビジネスに深く関われる業務やコミュニケーションが重視される仕事に携われる企業でキャリアを積めるよう、キャリアパスを考えてみてください。

 

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